four seasons ~恋人たちの午後~

気の向くままに文字を綴ります。。。

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私の彼は副社長 2-9


何事にも消極的な妹の真美があんなに興味示したのは、この花屋の花が初めてだった。
『花を持ったお兄ちゃんって凄くかっこいい』
……から始まり。
『どんな人が作ったの』
『ねぇ、この紐って手作り?』
まだ身体の調子は完全ではないと言うのに、身体を起こしてまで話しかけてきたのだ。
『私こんなお花屋さんで働きたいな』
最後に言った前向きな言葉は、消極的な妹の心がこの花によって変わりつつあることを表していた。
彼女の不思議なパワーが込められたこのアレンジ。
僕は彼女のアレンジをもっと知りたくて、あれこれと名目をつけながらはなみ花屋へと通った。




「えっ?名前」

店主より声をかけられ、そう言えば、自分の素性を伝えていないことにふと気付いた。
毎日の忙しい時間の中、この古ぼけた花屋のこの丸椅子に座るのが唯一の楽しみになっていた。建物と、もうアンティークショップでしか存在しないだろう振り子時計の時を刻む音がゆったりとした時間を過ごさせてくれる。なんだか居心地が良過ぎて、名乗るタイミングを逃していたのだ。
時間はあるようで無い。
早く彼女を舞台に上げて交渉を始めないと……。



羽並葉子は、『別に深い意味はないんです』と顔を赤らめながら『いつもお客様と呼んでるばかりで、堅苦しいような気がして……』と付け加えた。
彼女の花に魅力を感じる訳が、なんとなく分かった。
嘘がつけないタイプの彼女 、僕への感情もこうやって表情が表してくれる。それと同じように、彼女のアレンジは綺麗に作るというよりも相手に感じたままを花束にぶつけているのだと思った。元々持っているアレンジの高度さと、彼女の客を思う気持ちがプラスされ花束は作られてゆく。自己満足でないから、相手にも素直に受け入れられるというわけだった。
……ということは、FIEの副社長だと名乗れば必然的に花束の雰囲気も変わってくる。それを想像すると残念に感じた。



「僕の名前……?真純って言うんだ。真実のしんに、純粋のじゅん……。君は?」


僕は、自分の口から出た言葉に驚いていた。FIEだと分かる恩田の姓を名乗らず、名を名乗ってしまったのだ。この店が持つ平和的な空気に完全に侵されてしまっている。もう少しこの穏やかな時間を……と僕の心が求めていた。
「わ、私ですか?羽並と言います!!羽毛のうに、牛丼の並です」


― へっ?


彼女の自己紹介に凄く違和感を感じた僕は、彼女をジッと見つめ返していた。
百歩譲って、羽毛の『う』はまだましとしよう。
だが、牛丼?
僕だって、牛丼屋がどんなところか知っている。一度きりだが、山口より連れて行ってもらったいわゆる庶民の店だった。『ナミツユダク』というまるで宇宙語のような言葉を話す彼に、結構なカルチャーショックを受けた気がする。


『牛丼の並です』


……彼女の言葉が重なる。




僕は、羽並葉子の飾り気のなさに驚いた。
普通、女性だったら、自分の説明にそんな安っぽい表現などしない……。興味ある男性に、そんなことを言うなんてありえないのだ。場を盛り上げるためだったら分からなくはないが、彼女はまるで教師から言い当てられた子供のようにカチンコチンに緊張している。計算し尽くされたとは到底思えない彼女の言葉と姿……恋愛ベタな羽並葉子の姿は、僕の笑いのツボに入ってしまった
「牛丼…並か。それはいい」
僕の笑いにきょとんとした表情をしている彼女は、ようやく意味が分かったようでつられて笑い始める。
そんな表情も面白すぎた。
僕は、腹を抱えながらふと感じた。


女性の前で、こんなに弾けて笑ったことなど初めてだということを……。









第10話





真純……
失礼な奴だとひかないで下さいね。。。(笑)







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(かなりの確立で更新の後押しとなりそうです。。。笑)
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『真純くんの事情』は、全15話ほどの予定。
ほとんど書き上げたので、推敲しながらUPしていきますね♪
(その推敲が大変かも・・・)



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コメント

こんにちは♪

とうとう葉子が本格的登場ですね。
この後の展開を知っているのに、真純くんサイドから読むとまた雰囲気が違いますね。
葉子がアレンジを作る場面の描写は
「さすが!」の一言です。
こんな手際よくアレンジされたら真純君でなくとも驚きますよ。
今は仕事モードの真純君がいつ恋愛モードになるのかが楽しみです~^^
それから新連載、ひじょ~に気になります。
わた彼シリーズはもちろんだけれど、
先生×高校生の禁断らぶえち物・・・
わぁ~~~気になるっ!

zaziさん♪

はい☆ようやく葉子が出てきてくれて、書くほうも進みがいいです(笑)

わぁ、ありがとうございます!葉子が花を作る場面は、『いかにも花束』にしたくないために、短文ですが力を入れて書かせていただきました♪zaziさんに感じていただけて嬉しいです!!

そうです。
本家サイトの更新がなく寂しいので、連載を始めることにしました♪ヒーローは元球児…それは、夏の高校野球で投げている投手を見て設定しました。やっぱ青春ですものね~~(笑)野球をあまり知らないので、うかつなことは書けないのですが頑張ります(笑)
設定自体が禁断なのに少しではありますが、らぶえちまでつける予定です。『純粋で切なく』これが新連載の目標です。

あっというまに、半ばがきそうですね~。楽しみにその時をお待ちくださいね~~☆


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まるこ

Author:まるこ
オリジナル恋愛小説を運営する
心の景色を文字にするのが大好きな
管理人。
『春夏秋冬』(R-15)

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目次

私の彼は副社長

登場人物

~出会い編~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/
10/ 11/ 12/ 13/ 14/ 15/ 16/
17/ 18/ 19/ 20/ 21/ 22/ 23/
24/ 25/ 26/ 27/ 28/ 29/ 30/
31/ 32/ 33/ 34/ 35/ 36/ 37/
38/ 39/ 40/ 41/ 42/ 43/ 44/
45/ 46/ 47/ 48/ 49/

~真純くんの事情~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/ 10/
11/ 12/ 13/ 14/

~恋人編~
本家サイトにて公開中(R-15)





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