four seasons ~恋人たちの午後~

気の向くままに文字を綴ります。。。

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私の彼は副社長 35


「そ、そんな……」
顔中は蒸したてのお饅頭のように火照り、気持ちは有頂天だった。
もちろん返事は、『私も忘れてなんかないわ』そう言うつもり。あの時は、行き過ぎたと思っていたイメージトレーニングも、本物になるかもしれない……期待は、過剰に膨らんでゆく。
だが、はたと思考回路が止まった。
私は、課長の言葉を思い出したのだ。


― すみません。羽並さんとは副社長の話をするなと言われているんです。


一体これはどういうことなのだろうか。
同じ人物から出たとは思えないまるっきり正反対な言葉、プライベートな関係を切ろうとしている人の言葉ではないような気がした。だったら、彼の言葉の意味は何だと言うのか。
身体が欲しいため……どんな状況でも、そういう風にだけは考えたくない。でも、不安は広がってゆく一方だった。



「本当に、あなたはそう思ってるの?」


私は、ふたりの間に流れていた甘い雰囲気を消してしまうように怪訝な表情に変え、残り少なくなったパスタ皿へと視線を落とすと、言葉を続けていた。
「忘れなきゃいけなかったんじゃなくて?あなたは、私とのプレイベートな関係を切りたかった……でしょ?だから、私と副社長の話をしないように課長に命令したんじゃないの」
「ええっ?なに言ってるの」
真純は、驚いているようだった。
視線を上げた私の顔を覗き込んだ真純は、右手に持ったグラスをテーブルへと置く。
まるで、彼の動揺が伝わったかのように赤いワインがゆらゆらと揺れた。





「『羽並さんとは副社長の話をするなと言われているんです』課長から、そう言われたわ」
私は、課長の言葉をそのまま話していた。乗り出すように話を聞いていた真純は、『ああ』とため息をつき、申し訳なさそうに苦笑した。
「あいつは、そのまま君に伝えたんだ…ごめん。商店街の目もあるし、彼との間で僕の話題が出ないように、『羽並さんとは、僕の話をしないでくれ』と言っておいたんだ。仕事とプライベートを別にするためで、君との関係を切るためじゃない」
じゃなければこんなところに連れてきたりしないよ……真純は、私のワイングラスを指し、飲むように促す。安堵の気持ちでいっぱいになりながらちょっぴり辛口のワインを飲み干すと、彼の視線とぶつかった。
まるで、夜空に瞬く星のようにきらめく瞳が見える。
真純は、蝋燭の炎の向こうから一途な眼差しを向けていた。





「気持ちだけでも、初めから伝えておけばよかったのかもしれない」







「好きだ。葉子さん」






正式な彼からの告白。
胸に矢が刺さったような痛みが走ったあと、ジンと熱くなっていった。泉が湧き上がるように涙までもが溢れてきて、私は両手で目を覆い隠してしまった。
「どうしたの。嫌だった?」
優しすぎる言葉に、千切れんばかりに首を振る。
「違う……嬉しいの。私だってあのキスは忘れてなかった。だけど、あなたは帰国の日も言わずロスに行っちゃうし、課長さんからはそんなこと言われるし、平井さんていう綺麗な人とはいい雰囲気だし……私そんな魅力はないから、なんだか不安がとれなくて…だから、凄く嬉しいの」
そう言いながら涙を拭いた私は、自分の背中と椅子の背の間においていたGUCCIのペーパーバッグを手に取り、小さく息をついた。誕生日でもなくクリスマスにも数時間早いけど、今がこのプレゼントを渡す絶好のチャンスだと思った。
「実は、あなたの香りを感じたくてこのラッシュを買ったの……プレゼントとして渡せれば最高だと思ってた。25歳になったと同時に……開けて」



「……あなたを愛しています」




一途に向けた私の視線に答えるように目を細めた真純は、大きく頷いていた。その場の雰囲気に呑まれて凄く大胆なことを言った私の頬は、再び熱を帯び始めることになったのだった。








第36話へつづく














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(かなりの確立で更新の後押しとなりそうです。。。笑)
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コメント

うほっほっ♪

こんにちは。
おチビちゃんが春休みでお忙しそうですね。
そんな状況でもキチンと更新なさってて・・・
「エライなぁ・・・」と脱帽です。
葉子と真純、ついに・・・ですね!!
告白の場面で「うほっほっ♪」って言っちゃいました。(笑)
ここ×年人様に「好きだ」とささやかれることもなければ、
ささやくこともない生活を送っている私にはものすごく
魅力的な言葉です。
今現在、私を慕ってくれるのはエサ目当ての美優(みゅう)
と茉莉花(まりか)(猫です・・・)だけ。。。。
昨年秋から私は自分が恋するのも忘れて完全に「猫のママ」になってます。
だから、まるこさんのお話に癒されたり、自分で恋愛話を
必死に書いているのかもしれません・・・
話逸れました・・・
これからの二人のお話が楽しみです☆
個人的には葉子に愛をささやく真純さまに期待大ですが♪

うっしっし♪

zaziさん~♪ねぎらいの言葉をかけていただいてありがとうです(感涙)
忙しさと疲れでミスばかりやらかしてます(苦笑)

当初の予定では、ここで告白じゃなかったんですけど。急遽変えてみました(笑)
癒されましたか~。よかったぁ。
先ほど、最新号を更新しましたが愛を囁く真純さま、ちょっと(?)お預けのようですね。
佐渡根性の親を持つと、主人公たちは可哀想です~~(笑)ゆるして~。。。

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まるこ

Author:まるこ
オリジナル恋愛小説を運営する
心の景色を文字にするのが大好きな
管理人。
『春夏秋冬』(R-15)

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目次

私の彼は副社長

登場人物

~出会い編~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/
10/ 11/ 12/ 13/ 14/ 15/ 16/
17/ 18/ 19/ 20/ 21/ 22/ 23/
24/ 25/ 26/ 27/ 28/ 29/ 30/
31/ 32/ 33/ 34/ 35/ 36/ 37/
38/ 39/ 40/ 41/ 42/ 43/ 44/
45/ 46/ 47/ 48/ 49/

~真純くんの事情~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/ 10/
11/ 12/ 13/ 14/

~恋人編~
本家サイトにて公開中(R-15)





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