four seasons ~恋人たちの午後~

気の向くままに文字を綴ります。。。

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私の彼は副社長 17


私たちは、病院を後にしていた。



「今日は、ありがとう。紐の組み方まで妹に教えてくれて、真美は身体が弱いからどうしても気持ちが内に入ってしまうんだ。君のお陰でこれから外に目が向きそうだよ」
真純の妹真美は、色白の肌を持った気の優しい女の子だった。
花束の作り主の出現に大喜びしたことで図に乗ってしまった私は、彼女に四葉をはじめ紐の組み方を幾種類か教えてあげたのだ。
「うちの母を楽しませてくれたお礼と、あなたと違って気の優しい真美ちゃんのためよ。決して、あなたのことを認めたわけじゃないから」


「別に、認めてくれなくていいよ」


真純はそう言いながら、玄関前の駐車場に止めてあった白い高級車の助手席のドアを開いていた。
「ただ僕は、君の泣きはらした顔を病気のお母さんに見せたくなかっただけなんだ。お母さんの病気、重いんだろう?」
「そうだったの、やっぱり見られたのね……。え?」
私は普通に返事を返したあと、真純の言った言葉の違和感にハッとした。


病院にいるからと言って、全ての病人が重いとは普通考えないのではないか。
じゃ、なぜ彼はそんなこと言ったのか……。
そういえば、彼は花屋の土地のことも詳しく知っているようだったし。
でも、本当にたまたま偶然?
どんどん頭が混乱してくる。


― お母さんの病気、重いんだろう?


そんなこと、たまたま偶然では言えない。
彼は私の素性を知っている。調べ上げたんだとようやく気付いた。





「あなた、私のことを調べたの。土地のため」
それは図星だった。
私のひと言で、真純の表情から一瞬にして穏やかさが消えたのだ。
そう、この表情見たことがある。
一番最初に、彼の目的が分かったときの表情だ。この顔が……彼の仕事の顔。
真純は、目を細めると私をじっと見据えている。そして、こう言った。
「ああ、君を知る上で興信所で調べさせてもらったよ。はなみ花屋の資本金から収入の移り変わり、借金の額、家族構成、そして学歴もだ。大酒飲みの父親と別れたあと、母親は祖母が大切にしていた花屋を守り君を育てた。母親の病気をきっかけに、あの小さな土地を君に相続し運営をすべて任せた。君だっていろんな苦労をしているようだ」
「そんなことまで分かってるんだったら、同情して買収を諦めなさいよ。土地なんて腐るほどあるでしょう」


フッと真純は笑う。


その笑みは、葉子の心をかき回すぐらい嫌な笑いだった。
「同情で仕事は出来ないよ。人の悲しみを聞いていちいち同情するくらいなら、今、君の前にはいない。君が怒るからしないけど、本当は、癌のお母さんも利用させてもらいたいくらいだ」
 




気道に風だけが入ったような音が、のど元から聞こえた。
息を呑むというのはこういうことなのか、あまりにもショックなことを聞かされて、言葉がでなかった。







第18話へつづく








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目次

私の彼は副社長

登場人物

~出会い編~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/
10/ 11/ 12/ 13/ 14/ 15/ 16/
17/ 18/ 19/ 20/ 21/ 22/ 23/
24/ 25/ 26/ 27/ 28/ 29/ 30/
31/ 32/ 33/ 34/ 35/ 36/ 37/
38/ 39/ 40/ 41/ 42/ 43/ 44/
45/ 46/ 47/ 48/ 49/

~真純くんの事情~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/ 10/
11/ 12/ 13/ 14/

~恋人編~
本家サイトにて公開中(R-15)





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