four seasons ~恋人たちの午後~

気の向くままに文字を綴ります。。。

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私の彼は副社長 15


「あれ?葉子さんじゃないか」
階段の下から聞こえた耳慣れた声にぎくりとした私は、急いで涙を拭いた。
5階の階段からは、恩田真純が軽い足取りで段を上がってくる。





「な、なんで副社長がこんなところにいるの?今度は、病院をのっとる計画でもあり?」
真純は、ちょっと息を弾ませながら踊り場まで上ってくると、嬉しそうに微笑んだ。
「のっとるか、随分嫌われたものだな」
この人懐っこい笑みに、私は弱い。
自信ありげな態度の中で、時々こうやって漏らすこの笑みに心がぐいぐいと惹かれるのだ。
人を陥れようとする悪い男なのに、嫌いなれないのも辛いものだった。


「この上に妹が入院しているんだ。ほら、君から花束を作ってもらった」


もちろん、覚えている。その言葉が今の私の活力となっているのだ。
実は、その出来事も私に花束を作らせる嘘かもしれないと思っていたが、彼の本当の言葉だと分かり嬉しくなった。
「もちろん覚えているわ。お加減はどう?」
「お陰様で、明日退院だ」






彼の妹、真実(まみ)は、喘息の酷い発作で入院していたらしい。
私が作ったあの花束をとても気に入ったらしく、葉子さんから紐組みを習うんだと言い張ってるんだという。
「君さえよければ妹に会ってくれないか?彼女も喜ぶよ」
「えっ」
「『幸せの四葉』、入院が短くなったのもきっとそれのお陰だと信じているよ。いろいろあって、今までうまく言えなかったんだけど……ありがとう。葉子さん……」


「……感謝してる」


彼は優しげに微笑むと、私の頭を掌でポンポンと叩いた。
掌の温かさと、彼の柔らかく見下ろされる視線が凄く心地よくて、体の中にポッと行灯を点けられたような感覚に陥った。
 

やっぱり好き、どうしても好き、大好きなんだ。


そうは言えないけど、この敵を私は愛している。
「あなたは嫌いだけど、妹さんは好きだわ。ちょっと待って、母に言ってくるから」
私は、踵を返すと病棟へと向かうため階段を上り始める。


どうしても素直になれない己の立場に、胸を痛めながら……。





第16話へつづく








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『春夏秋冬』(R-15)

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目次

私の彼は副社長

登場人物

~出会い編~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/
10/ 11/ 12/ 13/ 14/ 15/ 16/
17/ 18/ 19/ 20/ 21/ 22/ 23/
24/ 25/ 26/ 27/ 28/ 29/ 30/
31/ 32/ 33/ 34/ 35/ 36/ 37/
38/ 39/ 40/ 41/ 42/ 43/ 44/
45/ 46/ 47/ 48/ 49/

~真純くんの事情~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/ 10/
11/ 12/ 13/ 14/

~恋人編~
本家サイトにて公開中(R-15)





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