four seasons ~恋人たちの午後~

気の向くままに文字を綴ります。。。

05月≪ 06月/123456789101112131415161718192021222324252627282930≫07月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

私の彼は副社長 9


それは、一瞬の出来事。
だけど、時計の針が止まっているかのようにゆっくりとした時間に思えた。




 目を閉じた彼の顔がすぐそばにあった。
 私の指は、人肌よりちょっと温かくて……。
 フレグランスの香りが心地よく鼻腔を擽る。
 世界でただひとりのお姫様のように、幸せな気分だった。

 
 私は、伝えたくなった。
 私、真純さんのことが好きなんです
 ……と。




「あんた!うちの葉子にちょっかい出すんじゃないわよ!!」



まるで霞がかかったかのようなほんわりとした空気は、魚屋の多美子の嗄れ声でサッと消えてしまった。
店の前に立ちはだかる多美子は、顔面蒼白で彼を見つめている。
彼女の声と同時に、温かかった指がスッと寒くなるのを感じた。


「FIEのトップがなにやってんの!あんた、葉子を誘惑して土地を騙し取るつもりでしょう!」


彼女は、真純のことをFIEの人と思い込んでいるよう。早く訂正してあげなければ彼が可哀想だった。
「お……おばさん?な、何言ってるの?それは違うわ」
「あんたこそ、何言ってんの!」
多美子の気迫に押され、言い出そうとする言葉が出ない。彼女のこの確信はどこから来るのだろう。幸せな気分から一変、地獄に突き落とされたみたいに、私の口元はブルブルと震えている。
FIEって…あの。
でも彼の苗字は、資料に書いてあったFIE社長の恩田(おんだ)じゃなく、真純なのだ。
「おばちゃん、彼の名前はね」
ようやく言葉が出た。だけど多美子はその言葉すら耳に入らないようで、店の中につかつかと入ってきたかと思うと、テーブルをバンと叩き真純を睨みつけたのだ。
「葉子も馬鹿だよ!見栄えのいい男に現を抜かしたりしてるからころりと騙されるんだ。その男はね」


―株式会社FIEフィットネスクラブスポーツ副社長 恩田真純(おんだますみ)なんだよ!


はっきりとそう聞こえた。


「おんだ……ます…み?」
彼から掴まれていた手が、ふと離れてハッとする。
それは、彼の正体が多美子の指摘どおりである事を表していた。




第10話へ つづく







ランキング参加しました♪
(かなりの確立で更新の後押しとなりそうです。。。笑)
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説へ
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけOK

HOME

プロフィール

まるこ

Author:まるこ
オリジナル恋愛小説を運営する
心の景色を文字にするのが大好きな
管理人。
『春夏秋冬』(R-15)

注)広告目的のコメントについては
予告なく削除することがあります。

目次

私の彼は副社長

登場人物

~出会い編~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/
10/ 11/ 12/ 13/ 14/ 15/ 16/
17/ 18/ 19/ 20/ 21/ 22/ 23/
24/ 25/ 26/ 27/ 28/ 29/ 30/
31/ 32/ 33/ 34/ 35/ 36/ 37/
38/ 39/ 40/ 41/ 42/ 43/ 44/
45/ 46/ 47/ 48/ 49/

~真純くんの事情~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/ 10/
11/ 12/ 13/ 14/

~恋人編~
本家サイトにて公開中(R-15)





拍手御礼!

拍手をいただきありがとうございます。皆さんに楽しんでいただけるようこれからも頑張ります!

コメントお礼

ブログランキング
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
お薦めブログ
お気に入りブログ小説

大人向きのものも含まれています☆


 Lovers


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。