four seasons ~恋人たちの午後~

気の向くままに文字を綴ります。。。

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私の彼は副社長 3


「いやぁ、葉子ちゃんの入れてくれるお茶は絶品ね。どんな高いお茶なの」
「いえ、しずさん。高いお茶なんて買えませんよ。ただの番茶です。番茶やほうじ茶、紅茶などもそうなんですけど、香りを楽しむお茶は熱湯で淹れた方が香りが出ていいんです」


昼間の花屋は、買い物帰りのおばちゃんたちの溜まり場だ。
祖母の代から伝統的に受け継がれているこの一種の寄り合いみたいなものを、私はしっかり引き継いでいる。
もちろん、このおばちゃんたちが必ず花を買っていくわけではない。
でも、花を見ながら話をし、癒されたよと言いながら満足げに帰ってゆくおばちゃんたちを見ると、どうしてもやめられなかった。儲けはなくても、それが人情……温かさだった。


「今日は、大福もちを作ったのよ。よかったら食べて!ほら、葉子ちゃん、みわさんも」
「うわぁ、美味しいしずさん。懐かしい味がするわ」
「そう?嬉しいねぇ」
なんだか、おばあちゃんの味を思い出した。
この花屋の創業者……私の祖母だが、15年前、私が10歳のときに亡くなった。その後は母へ代がわりし、5年前から私が『はなみ花屋』の看板を守っている。
父は酒癖と借金癖が悪い人で母も随分堪えていたが、結局は、祖母が亡くなったのと同時に離婚を言い渡した。
それから母は、細腕ひとつで私を育ててくれ、そして現在も花の素敵さを教え続けてくれている。
そんな母は、今末期癌に侵され病院に入院している。


子供の頃に、たくさんの花の名前を教えてくれた優しい祖母、そして、厳しいながらもアレンジのノウハウを教えてくれた母。ふたりへの感謝のためにもこの花屋は続けなければいけないし、出来るなら母が生きているうちに結婚して子供が生まれれば……なんて思うのだが、さすがに人生そう上手くはいかないようだった。
「あっ、お客さんだわ。おばちゃん、お茶は適当に注いで飲んでね」


今日、はじめてである貴重なお客様が来た。


私は、いらっしゃいませと大きな声を出しながら土間の店へと降りる。だが、その後の声は出なかった。
なぜなら、お客として現れた男性は、まるでシンデレラに出てくる王子様のような……凄くいい男だったから……。


第4話へ つづく







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目次

私の彼は副社長

登場人物

~出会い編~
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10/ 11/ 12/ 13/ 14/ 15/ 16/
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45/ 46/ 47/ 48/ 49/

~真純くんの事情~
1/ 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 7/ 8/ 9/ 10/
11/ 12/ 13/ 14/

~恋人編~
本家サイトにて公開中(R-15)





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